令和4年度 いえーるinとかち、最初の研修会は医療法人稲生会の土畠智幸先生をお招きして、4月26日(水)芽室町のてつなん保育所で行いました。
4月からてつなん保育所に通う医療的ケア児Aちゃんの支援に合わせて研修会を行い、保育所の看護師さん・保育士さん、芽室町役場の職員さん、とかち消防さんに参加いただき、医療的ケア児支援の現状、人工呼吸器を必要とする子供についてのお話と実際の人工呼吸器やモデル人形を使った呼吸ケアの実際を学びました。
「医療的ケア児」のこの「医療的」ってなんだろう?疑問に思ったことありますか?
「医療的」とは「医療行為」を指すのですが、以前は医師や看護師しかできなかった行為が一定条件のもと医師や看護師以外でもできるようになったことから「医療的」と表現されるそうになったそうです。
支援する側の幅が広がっていることを意味する大事な「医療的」という表現なのですね。
そして、この医療的ケア児は、1.5人/万人と言われ、話せない、歩けない重症心身障害、筋ジストロフィーなどの神経筋疾患、1型糖尿病など狭義の医療的ケア児など、その疾患も症状も様々で、個々ニーズに合わせた支援が必要になります。
医療の進歩などを背景にここ10年で2倍に増えていると言われています。「医療的ケア児保育支援事業」は国の責務として対応が課題になっていますが、自治体によって様々な取り組みを行い、少しずつ制度ができつつあるといった現状だそうです。
「集団生活」を行う上で医療的ケアが必要なことが進学や集団生活の「壁」にならないよう各自治体での体制充実が望まれている。そんな中、今回、Aちゃんが通う保育所で勉強会が実施できることに大きな意味を感じました。(今回開催の芽室町は大変頑張っている自治体だと土畠先生が褒めていらっしゃいました。さすがです、芽室町!)
研修後半は、24時間呼吸器をつけてサポートが必要な医療的ケア児の気管カニューレの使用方法や注意点、アンビューバックの実技をおこないました。
カニューレの種類や留置時の注意点のレクチャー。看護師さんが動画を取って確認されています。
実際に使用している人工呼吸器のモデルを使って画面の説明をされています。
カニューレホルダーがしっかり固定されているか、マジックテープが浮いていないか。
ガーゼの下のカニューレは抜けてないか、保育士さんがしっかり確認を行っています。
万が一救急搬送された場合の対応について細かく確認されているとかち消防の方々。
「医療的ケア児は「呼吸器の子供」ではなく、「○○ちゃん」です。目が悪い子がメガネを掛けているように、人工呼吸器を使っているだけなのです。」
この土畠先生の言葉が、当たり前の言葉として医療的ケア児の周りに広がり、「遊び」や「集団生活」を当たり前のように経験できる社会になりますように。
参加されている皆さん全員が、とても熱心で、社会参加の第一歩である「保育所での集団生活」をしっかりサポートしてこうという意気込みを感じました。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
今年度も、とかち流の ”YeLL” を広めていけるよう活動していきたいと思います。
本日のモデルさん。お疲れ様でした。