令和5年度 いぇーる㏌とかち企画の研修会は 8月30日(水曜日)に帯広市役所にて、医療的ケア児・者の支援に携わる34名の方にご参加いただき開催しました。
会場に設置された医療的ケア児に関わる資料ブースには、鹿追高校生写真部とのコラボ企画で『こども万博 2023 in とかち鹿追(2023年8月19日開催)』の写真展でお披露目された素敵な写真幕4枚が掲げられ、温かく素敵な雰囲気に包まれながらの開会となりました。
医療法人稲生会 理事長 土畠 智幸 氏をお招きして
『札幌市を中心とした就学の状況と北海道医療的ケア児等支援センターの活動状況』についてご講演いただきました。
北海道医療的ケア児等支援センター は、令和3年施行の医療的ケア児支援法により道内すべての市町村において、医療的ケアが必要なお子さんとそのご家族が共に安心して暮らせるように、さまざまな相談を受け付ける窓口として令和4年6月30日に北海道が開設しました。
その運営は医療法人稲生会が担っており、多職種のスタッフが対応しておられます。
教育と保育の関係機関による相談対応実績が半数以上との報告があり、就学に関わる支援について多くの自治体で課題を抱えながら取り組まれているという現状を知ることができました。
2021年9月に施工された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」により、地域の小中学校に通う(通学を希望する)医ケア児生は増加していますが、受け入れるために体制整備をゼロからスタートすることの壁が高いことを物語っているように感じました。
その壁を取り除くためには、地域全体が一丸となって支える地続きの連携や連続性が必要だと感じました。
十勝管内3市町での取り組みについて ご講演いただきました!
医療的ケア児のよりよい暮らしを支えるため、課題と向き合って活動されている各自治体の様子や内容がぎっしりつまっていました。
日々体制整備に御尽力されている生の声に、会場では多くの共感のうなずきがみられていました!
鹿追町学校教育課 主幹 天野 健治 氏
特別支援教育も含めた教育について 鹿追町の目指すところ
医療と教育の役割分担が曖昧で、医療が教育を圧迫してしまい葛藤されるケースもあるとのこと。
『教育ってなんだろう…』と、教育のスペシャリストたちは、子どもが伸びやかに成育していく為に、どのように支援していくか… それに懸ける思いは今後もどんどん多方面に発信してほしいです!
芽室町教育委員会教育推進課 課長補佐 清末 有二 氏
芽室町 幼稚園、 保育所、小学校、それぞれの医療 的ケア児受け入れ体制の現状
就学前から社会参加まで、切れ目がなく支援を受けられる体制のための理想づくり。現実的には財政問題なども日々直面している。
芽室町は平成29 年に独自の支援事業を開始され、モデルケースとなるような、『必要な支援が得られるための体制』を構築されています。
帯広市子ども福祉室 室長 佐藤 泰孝 氏
帯広市 看護師確保の現状と課題、就学期支援の方向性
医療的ケア児支援法施行後、地域の小中学校への就学増加に比例して、行政直営の看護師確保に苦慮されている現実問題も浮上。
通常学級、特別支援学級においても肢体不自由・病弱時の指導実績が少ないことが背景にあることも見えてきました。
医療的ケア児の教育、学習保障の為にも、後方支援体制を構築することが急務であることを感じました。
グループディスカッション
各々のグループで看護師確保、教育、就学準備、卒後の暮らし、他職種連携などキーワードを決めてグループディスカッション。情報共有と今の現状課題、壁などのモヤモヤを皆さんの中の経験談と共に、引き出し合うそんな時間に。
地域の課題や行政の動き、医療的ケア児の受け入れの仕組みや暮らし、生活など、参加者間で現状を共有し学び合い、情報交換を行うことが出来たことは間違いないかと思います。
『医療的ケア児がともに教育をうけられること』から『医療的ケア児の教育とは』というフェーズに差し掛かっている流れも見えてきました。
各市町村や携わり方は千差万別、一歩先の未来を創るために、大変有意義で貴重な時間となりました。
お顔とお顔を合わせて展望を語り合える場が、子どもたちの未来に繋がることを心から祈っています。
ご参加いただいた皆さまとまたお会いできることを楽しみにしております!
ありがとうございました!