令和3年2月9日(火)、リアルとZoomを活用したハイブリッド研修会「医療的ケア児・重度心身障がい児のための『感覚遊び百選』 ~感覚遊びを通じて教育とリハビリをすすめるおさえと実践」を、大盛況のうちに無事終えることができました。
コロナ禍を追い風に、急速に世の中に広がった印象のある「Zoom研修」・・・ スタッフ一同、参加したことはありますが、主催するのは今回が初めての挑戦…
それも会場(芽室町中央公民館 2階講堂)にも参加者があり、あわせてZoom配信をする「ハイブリット」形式!!
より多くの人にお伝えしたい、という思いで企画しましたが、私たちにとってかなりチャレンジドな開催でもありました。
さすがSNSの時代…! Zoomでの申し込みが始まると、長崎や大阪や長野からなど、全国各地からの参加お申し込みがありました。
医療的ケアを必要としている子どもたちが、地域で暮らしていこうとするときに、それを応援してくれる人たちが全国にいることが実感できました。
講演会ではまず「いぇーる in とかち」の松山から、いぇーるの活動の主旨をお伝えする挨拶があった後、医療的ケアを必要とする子どもたちが通う機関から、子どもと活動している様子や教材、かかわりを紹介していただく実践報告がありました。
はじめに、帯広市立豊成小学校の山野先生から報告がありました。
ほのぼの学級での学習の様子をふんだんな写真でお伝えくださいました。
感覚遊び百選のテーマそのもの、つかむ、ひっぱる、触れる、つまむ、塗る、にぎる、はる、きく、ならす、うごかす、入れる、…等々の学習活動が、17ページのスライドにわたってお示しいただきました。ぜひ資料もご覧ください!
とてもカラフルで、楽しくて、創意工夫のある取り組みをたくさん紹介いただきました。
続いて、めむろてつなん保育所の保志先生と伊東看護師からの報告です。
四肢に麻痺があり、日常的にサクション(痰の吸引)や、胃ろう(経管栄養)などの医療的ケアを必要としているYくんが、民間の一般の保育所に通って、いろんな体験を同年代のみんなと一緒に活動している様子をご報告いただきました。
動画で “ビー玉をつかって同年代の子たちと楽しく過ごしている様子” が流れたところは、感動的でした。
たとえ医療的ケアが必要でも、麻痺があっても、車いすに乗っていても、子どもたち同士はそんなこと壁にはならない。。。 そんなことをはっきり見せてくれる、とても素敵な動画でした。
みなさんには案内していませんでしたが、サプライズでYくんのお父さんも登壇してくださり、保育所入所の経過や、保育所に入所したことでYくんにたくさん良い変化があったことをお話してくださいました(実は会場にYくん本人も、保志先生と伊東看護師の応援にかけつけてくれていました!)。
十勝リハビリテーションセンター 平松作業療法士と、芽室町教育委員会 清末地域コーディネーターから、小学校と保育所からの報告に対して、それぞれリハビリ的な視点や、教育活動の視点からコメントをしました。
平松作業療法士からは、実践報告の中で紹介された遊びがどんな身体の使い方を必要としているか、リハビリ的な次の一歩はどんな遊び方か解説がありました。
地域コーディネーターである、わたくし清末からは、自立活動(文科省:障がいに対応する特別の指導領域:6領域27項目)から、活動の指導計画を立てていくお話をさせていただきました。
まとめとして、平松作業療法士から、感覚の発達と、感覚遊びの意義やポイントについてご講義をいただきました。
質疑ではオンライン、会場から両方あり、「医療的ケアを必要としている子どもたちの、小学校の引継ぎはどのようなスケジュールか」「医療的ケアを必要としている子どもの、保育所入所はどのような経過だったか」など情報共有できました。
当日は、Zoomでのオンライン参加68名、会場参加29名の、計97名の大盛会な講演会となりました。
医療的ケアを必要としている子が幼稚園保育所、市町村立の小中学校へドンドンと入っていくインクルーシブの時代ですが、反対にそこにいる職員が「どんな活動したらいいのかな」「園や学校でもリハビリするの?」「どんな風に指導計画や支援計画を記載したらいいのかしら」という悩みも聞きます。
今回のような情報共有がなされたり、困ったときにどこに聞けばいいのか地域のキーパーソンや拠点がわかる、そんな貴重な機会となった講演会でした。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!また講師のみなさまも、年度末近いお忙しい時期でありましたが、本当にありがとうございました!
この研修会の開催にあたっては、「いぇーる in とかち」のメンバーに加えて、Zoomなど技術的なサポートいただくスタッフ、会場の運営をしてくださるスタッフなど、まさに地域一丸となる力が結集される中で実現できました。ご協力いただいた スタッフのみなさん、ご苦労様でした!
今後も地域が必要とする研修を、地域が一丸となって開催していきたいと思います。
医療的ケアを必要としている子どもたちが、自分が生まれ育った地域でいきいきと生活できるための一助となりますように。。。