はじめに
2026年7月25日(土)北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟で開催された【第4回 YeLL実践研究会 2026】にて、一般演題表「とかちの医療的ケア児のレスパイト入院のはじまり」と題して発表をしてきました。
2015年度に開始となった北海道小児在宅医療連携拠点事業(通称:YeLL)では、北海道の小児在宅医療および医療的ケア児支援の優れた実践を広げるため、2017年度より「YeLL実践検討会」を開催してきました。
2023年度より、各地の実践者が自発的に発表し、切磋琢磨できるような「研究会」に形を変え、今年度、第4回目の開催をいたします。
一般演題では、幅広い内容の医療的ケア児等や支援者の方達との関わりを実践報告していただいています。

「とかちの医療的ケア児のレスパイト入院のはじまり」
今回は いぇーるinとかち を代表して事務局のかしわのもり奥山恵美子が発表をしてきました。
発表内容はこちらです。

1. 導入の経緯
終日ケアに加えて家事やきょうだい児のお世話で忙しく、自分の時間が持てていないご家族、
漠然とした不安を抱えているご家族が少なくない中、
医療型レスパイトは十勝管内で受け入れてくれる病院はほとんどなく、
何とかできないかなあと思っていた時、「私たち病院が、地域のために何かできることはないかな?」と
つぶやいて下さったのが「レスパイト入院のはじまり」のきっかけでした。
そうはいってもどう始めるか?小児自体が未知の世界で、呼吸器に慣れていなし、、、という中で、幸いにも
院長の理解があり、医ケア児との関わった経験のあるスタッフを中心に、 体制整備とスタッフ研修を重ねて、2組の家族に協力をいただき、ご自宅へ訪問させていただき、実習させていただき、ゆっくりと準備をすすめていきました。
2. 家族・病院の想い
ご家族の想いとしては、病院の配慮を受け、受け入れてもらっているという安心感につながり、
最初のころは、「大丈夫かな」とそわそわしたり、子供たち、さみしくないかな、という心配があったのですが、利用を重ねるごとに、安心して自分たちの用事が足せるようになったとのことです。そして、何より子供たちの成長が感じられるということが嬉しいと話され、家では待つのが苦手だったり、
つい癇癪をおこしてしまうことがあるのに、病院ではきちんと待つことや譲ることができ、成長ぶりに感激されていました。
病院は、受け入れることで、看護師自体の意識も上がり、どんな声掛けしたらいいかな、と工夫して関わることで、結果スキルも上がっている。ご家族や地域の役に立てているという想いから、病院自体がすごくいい雰囲気になってきたと話がありました。
3. 今後に向けて
十勝のレスパイト入院は、まだまだこの先も進化を遂げ続いてつながっていきます。
まだまだ知って欲しい人に届いていない!届けたい!という強い想いがあります。
医療の必要なココいる君が、家で暮らし続けられるように、私たち「いぇーる in とかち」でも、みなさんに知ってもらえるよう、周知啓蒙活動を続けていきたいと思いを新たに考えるきっかけになりました。
4. 質疑応答
レスパイト入院導入に協力いただいたY君ご家族が実践研究会の会場に来てくださり、質疑の助っ人に参加してくださいました。
Y君は、病院でのレスパイトが「楽しい」と教えてくれ、ご家族もご自分の言葉で想いを語っていただけ、ありがたい限りです。


その他、一般演題終了後に、恥ずかしくて質問できなかったのですが、、、と、何人かの方がお声がけくださりました。
興味を持ってもらえたこと、関心の高さがうかがえ、ドキドキ緊張しながらも発表してよかったと思える瞬間でした。
いぇーるinとかちのホームページ・FacebookのQRコード付きの「ココいるくんカード」をたくさん持って行ったのですが、あまり配れなかったことが心残りではありますが、引き続き、啓蒙周知活動も頑張っていきたいと思います。
当事者発表・シンポジウム
当事者発表では、まさに医療的ケア児本人の発表があり、大勢の前での発表は非常に勇気がいったのではないかと思います。そんな中、立派に発表され、未来に希望が持てる、つながる発表だったと思います。
シンポジウムは「クマなくつくる北海道の医療的ケア児支援体制」と題して、北海道医療的ケア児等支援センター長 医療法人稲生会理事長 土畠智幸先生や各地域の実践者のお話がありました。

ちょうどこの実践研究会の前日、2026年7月24日に医療的ケア児支援法の改正法が成立し、支援対象が18歳以上へ拡大、就労・住まい・災害時の支援が明記されました。
そんな最新トピックスを含め、各地域で実践している仲間とともに、北海道における医療的ケア児支援体制を「見える化」し、「クマ」をなくしていくためのお話が、関係各所の方々から幅広くお話を聞くことができ、持続可能なアクションプランへ繋がるシンポジウムであったと感じています。

最後に、今回、発表の機会をいただきありがとうございました。何より、北海道の医療的ケア児に係る熱い想いを持った方々のお話が聴け、今後の「いぇーる in とかち」の活動もより熱くなる予感がしています。
寄稿者:奥山 恵美子















