少しずつ暖かくなってきた十勝ですが、まだまだ油断は禁物!温かくして、美味しい物をたくさん食べて元気な日々を過ごしていきましょう!!
さてさて2021年度最後の「とかちの仲間情報発信」は、キャンナス帯広の岡田恵さんにインタビューをして参りました (*´▽`*)
以前、キャンナス帯広の発会式(https://yell-tokachi.com/tokachi-info/cannus-obihiro-start/)のご紹介をさせていただいた記事はご覧いただけましたでしょうか?
そこから3年近くの歳月が流れ、益々お忙しくされている岡田さんに、現在の想いやフットワークの身軽さの秘訣について、詳しくお話しを伺わせていただきました。
※新型コロナウイルス感染対策を行なった上で、対面形式でのインタビューを行っております
―― まず初めに(改めてお聞きしますが)、「キャンナス」とはどういう団体なのでしょうか?
岡田:神奈川県藤沢市で始まった有償ボランティア団体で、「出来る(can)ことを出来る範囲で活動するナース(nurse)」で「キャンナス」です。全国に100を超える支部があり、北海道では帯広を含め、7か所のキャンナスが活動をしています(2022年3月時点)。
「介護や看護に疲れている人に休める時間を持たせてあげたい」という思いが、キャンナスの活動の原点です。
私達キャンナス帯広では、「在宅介護をされているご家族、また年齢や病気・障害に関係なく地域で自分らしくそこにあり続けたい人などに寄り添い、ほんのひと時でもレスパイトが出来るような支援や日常的に家庭で出来るケアを提供したい」と考えています。
―― なるほど!看護師さんの有償ボランティア団体なのですね!
岡田:あ、でも看護師以外の仲間もいますよ!キャンナス帯広は約10名のメンバーが登録していますが、看護師が8割・それ以外が2割です。看護師の仲間が増えることはもちろん嬉しいですが、「地域のために自分が出来ることをやってみたい」と地域の方々からメンバーに加わってくれた仲間もいます。
―― 実際にキャンナス帯広にどのような依頼が出来るのでしょうか?
岡田:それこそ「出来る範囲で出来る限り」のお手伝いですね!訪問看護とは違いますので定期的なサービスは基本的にお断りしています。「ちょっと買い物に行きたい」や「少し息抜きをしたい」というお母さんの為に、医療的ケア児の見守りを数時間行ったり、「お兄ちゃんの七五三の写真を家族で撮りたいな」というご家族の要望にも応えたこともありました。それは時間をかけて、色々な方と相談して、サポートしました。
―― 様々な「困った」にサポートをしてくれるのですね!
岡田:私自身が子育てをしてきた中で当たり前にやってきたことも、医療的ケア児のお母さんにとっては当たり前じゃないことも沢山あります。どんなお母さんにでも子育ての楽しみを味わってほしくて、「当たり前のことを当たり前に出来るようにお手伝いしたい」そんな風に考えています。
あとは、お母さん達のレスパイトですね。どんな人でもゆっくりしたいなと思うじゃないですか(笑)医療的ケア児のお母さん達は本当に大変…24時間ずっと神経張りつめていて、休む時間があるのかなと思うぐらい。お母さんの時間もそうですが、夫婦の時間もゆっくり楽しんで欲しいですよね!
―― 岡田さんが医療的ケア児と出会ったきっかけはいつ頃だったのですか?
岡田:帯広養護学校で看護師(非常勤)として働いていた際、初めて医療的ケア児に出会いました。そして、その家族の生活の様子を聞いた時、「熟睡したことがない」「美容室に行く時間がない」という事実を知った時、「少しでもホッと出来る時間を作ってあげたい」と思うようになりました。
―― そこから「キャンナス帯広」の立ち上げに繋がるわけですね?
岡田:そうですね。「こんな活動したいな」と呟いたところ、とある訪問看護師さんからキャンナスを教えていただいて、そこから本当に色々な縁が繋がり、ここまで辿り着きました。以前に地元の新聞で紹介されたところ、「私も何かの役に立てるのなら参加させて欲しい」と連絡をいただいたこともあります。
―― 本当に出会いは大切ですね!
岡田:キャンナスのメンバーはもちろんですが、利用者さまたちとの出会いも本当に素晴らしくて。医療的ケア児で通学に困っていた方と出会ってお手伝いをしたいと思っていたところ、自治体から「必要なサービスだから」と町に新たなサービスが誕生したこともありました。
いぇーるinとかちの仲間たちと活動していて、「地域での関わり」という意味では、昔ながらの「距離感の近い関係性」が戻ってきた印象があります。もっともっと温かい地域になると良いですね!
―― そもそも看護師を目指したきっかけは?
岡田:学生の頃は「図書館司書」になりたかったんですよ~(笑)でも、母親から手に職を付けなさいと言われて看護師の道に…。最初は一般的な病院に勤めて、ごく一般的な看護師でした。今現在の考えに至るには、やはり養護学校で勤務をして出会った「医療的ケア児」の存在がとても大きいですね。
―― 最後に「キャンナス帯広」の今後の展望を教えてください!
岡田:何か困ったことがあった時に、「そういえばキャンナス帯広っていうのがあったな」と気軽に連絡をいただける存在になりたいですね。
どうしてもフォーマルサービス(制度や法律に基づくサービス)だと制約があります。インフォーマル(ボランティアなど制度外のサービス)も上手に組み合わせていただき、豊かな生活のお手伝いが出来たら嬉しいですね。
あとは、細く長~く活動していきたいです(笑)
最近は新型コロナウイルスの感染予防の観点から、活動することが難しいというお話もありました。それでも、安心してお願いが出来る「看護師」というサポーターの存在は大きいと思います。これからも、十勝のお母さん(お父さんも?)の心強い存在であって欲しいですね。
岡田さんより「お気軽に連絡くださーい」というお言葉もありましたので、気になる方はぜひ連絡をしてみてはいかがでしょうか?
キャンナス帯広 代表 岡田 恵
メール:keikeikei3713@gmail.com
電話:080-9616-8123